あのPhotoshopに、Web版が登場した。画像のレタッチはもちろん、2Gバイトのストレージ、PicasaやFacebookとの連携機能など、気になる機能をチェックしてみた。
アプリケーションのWebサービス化が進んでいる。米Adobe Systemsは無料で利用できる、Web版Photoshop「Photoshop Express」をβ公開した(3月27日の記事参照)。簡単に使ってみた感触を、ファーストインプレッションとしてお届けしよう。
サインアップはメールアドレスやパスワードなどを入力する一般的な方式。国の選択では米国しか選べないことに注意する。2Gバイトのストレージが用意され、設定した名前.photoshop.comでアクセスできるようになる。ちなみにこのサインアップフォームもFlashで作られている。
自分のストレージだけでなく、Facebook、Photobucket、PicasaといったWebサービスから写真を読み込むことが可能だ。Picasa Webで試したところ、編集後の写真はPicasaに保存されるだけでなく、自分のストレージに保存することもできる。
写真を選んでダブルクリックするか下部の「EditPhoto」ボタンを押す、写真をクリックすると表れる「PhotoOption」から「EditPhoto」を選べば、編集画面に移行する。
編集画面は、中央に写真、左に編集メニューが並ぶ直感的なもの。下記に基本的な機能をまとめた。
編集メニュー | できること |
---|---|
Crop&Rotate | 写真のクロップ(トリミング)と回転 |
AutoCorrect | 自動補正。上部にサンプルが表示され、選んで補正を行う |
Exposure | 露出補正 |
Red-Eye Removal | 赤目補正 |
Touchup | Photoshopのスタンプ機能のようなもの。画像の一部を別の場所コピーする |
Saturation | 画像の彩度を変更 |
White Balance | ホワイトバランス。上部に表示される晴天、白熱灯などの環境を選んで補正する |
Hightlight | ハイライト補正 |
Fill Light | シャドウ領域に照明を与えたような効果 |
Sharpen | シャープにする。画像の一部を拡大したサンプルが複数表示され、程度を選べる |
Soft Focus | ソフトにする。UIはSharpenと同様 |
Pop Color | 画像の中の物体の色を変えて目立たせる |
Black & White | モノクロ化。上部にサンプルが表示される |
Tint | 画像から色を取り除いて着色。セピア写真などが作れる |
Sketch | スケッチふうに変換 |
Distort | ゆがみ。渦巻き状や球形のゆがみ効果を与える |
UIで気になったことは次の通りだ。まず数値の入力やスライダーだけで補正を行うメニューはなく、ほとんどが上部に変換後のサンプルが表示されている。サンプルを選ぶと下部のメイン画像も瞬時に切り替わる。ゆがみなどの重めのエフェクトも即座に反映されるのはオンラインならではだろうか。
編集を適用すると、メニューの左脇に「この編集効果を適用済み」を意味するチェックマークが入る。あとから特定の編集だけを取り消すことも可能だ。
逆に気をつけたい点もいくつか。例えばどうやら横1024ピクセルのフルスクリーンを想定しているらしく、ノートPCなどで画面の右側にXPのタスクバーなどを置いていると、重要なボタンが隠れてしまう。その重要なボタンとは、「Save」ボタンと効果を適用する「チェック」ボタン。Flashだけに横スクロールバーも出ないので、ノートPCなどから使う場合は注意が必要だ。
編集した写真は、最初の管理画面からの操作で、写真へのリンクをクリップボードにコピーしたり、ブログに張り付けるためのHTMLタグをコピーしたり、ダウンロードしたりできる。いきなりクリップボードにコードが保存されるあたりはFlashならではだろうか。
機能やユーザーインタフェースは、Photoshop Elementを思い起こさせる。一方で、図形を書いたり文字を書き入れる機能はなく、純粋に写真補正に特化しているあたりがFlickrと連携して動作するPicnikとの違いだろうか。
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